スタジオ大四畳半

スタジオ大四畳半は書籍の企画・執筆・編集などを行っています。四畳半から一軒家に昇格。

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3.論理問題(制限時間5分)/ 難易度:★☆☆

      2012/03/01

会話形式の論理問題です。徹底して水産で攻めます(笑)

<<問題3>>

日本人のマグロの消費について討論するテレビ番組で、コメンテーターとして出演した食糧問題が専門のY教授が次のような主張をした。慣れないテレビ出演で緊張したのだろうか、Y教授の主張には説明不足で幾分か論理の飛躍を起こしている部分があった。しかしながら、同時に出演していた水産学が専門のO教授がすかさず補足説明を加えてY教授をフォローし、Y教授は事なきを得た。O教授が付け加えた、Y教授の主張を論理的に正しいものとするために必要となる補足説明を下の(1)~(5)の中から選べ。

Y教授:「今、世界の食卓で食の安全が大きく揺らいでいましてね。まず有名なBSEの問題、BSEは正式には牛海綿状脳症といいまして、1986年にイギリスで最初の症例が発見されて以来、未だ根絶ができず世界中で問題になっている家畜伝染病です。その危険性から、牛の検査や特定の国への輸入停止、試料や加工過程についての規制など、世界各国は配慮を余儀なくされています。日本でも大手牛丼チェーン店からその看板商品である牛丼が消えたことは皆さんもご存知の通りです。次に鳥インフルエンザの問題、鳥インフルエンザ自体は1850年代からある家畜伝染病なのですが、近年、世界中で爆発的に流行している家畜伝染病です。2005年にはカナダのオタワで世界30カ国の政府高官による鳥インフルエンザ対策会議が開かれました。現在、鳥インフルエンザは世界的に養鶏産業の脅威となっています。今や牛も鳥も世界中の消費者にとっては安全ではなくなりました。そのため、日本だけがマグロの主要な需要源ではなくなってきています。現に世界中でマグロの消費が増え、マグロの資源量は昨今急激に減少しています。かつてまでの需要と供給のバランスが崩れています。だからね、これからマグロの価格は高騰しますよ。マグロを世界のどの人々よりも愛好し、世界最大のマグロ消費大国である日本に住む我々にとってこれはタダゴトじゃありません」

(1)そうですね、ちょっと付け加えますと、実際にBSEや鳥インフルエンザといった家畜伝染病の影響で、牛肉や鶏肉の消費は世界的に減少しているのですよ。まぁ、危険と聞かされれば消費者だって食べたくはないですからね。

(2)そうそう。それに、日本は世界で取れるマグロの約1/3を消費する世界一のマグロ消費大国ですが、まぁこれは、世界的に見て明らかに食べすぎなのですよ。

(3)今Yさんからマグロの資源量の話が出てきましたが、マグロの資源量が世界的に懸念されている原因はね、やはり「獲り過ぎ」なんですよね。スーパーマーケットで「養殖」と表示されているマグロも、実は完全な養殖ではなく「蓄養」という方法で供給されているものなのですよ。

(4)Yさんの話にちょっと付け加えておきますと、牛肉や鶏肉の安全性に危機感を覚えた世界中の消費者は肉から魚に食生活を移行し始め、ツナを食べるようになったわけですね。

(5)今の話に少し補足しておきますと、BSEや鳥インフルエンザは実際に人に伝達する家畜疾病なわけです。BSEはヒトの変異型クロイツフェルト・ヤコブ病と関係があると考えられていますし、鳥インフルエンザはH5N1型がヒトにも感染する事が報告されています。

 - 雑文

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