世界名作劇場『牧場の少女カトリ』を観終わりました

『牧場の少女カトリ』を観終わりました。なかなか深読みが出来る作品で、世界名作シリーズの中でも『トムソーヤの冒険』や『ペリーヌ物語』並に頭一つ抜けてるなと思ったら、いずれも脚本家が宮崎晃という山田洋次と組んで寅さんとか作ってた人なのでした。その経歴を調べてみたら学生時代にロシア語科に所属しておられ、だからか、作品全体に何となく共産ロシア賛美の空気が流れています。最終話近くでカトリがトゥルクのレストランで食事をしてたら偶然レーニンが居合わせ、ナレーションが「ロシアの革命新政府はフィンランドの独立を認めてあげました。ドイツとの戦争もやめました」と被せてきます。おそらく原作には存在しないシーンでしょうが、脚本家がレーニンを礼賛したかったのでしょうか。世界名作劇場シリーズは寅さんを作るような人が脚本をやっていたり、満州帰りの人が監督やっていたりします。作っている人間のレベルが現在の一般アニメとはダンチですから、楽しめて当然なのでしょう。

中盤から最後まであれだけ「医者になりたい」と言っていたカトリが農村の労働者を書く作家になったことが、ラスト10秒のナレーションで唐突に説明されます。おそらくアッキが「この考え方がこれからの世界を良くするんだ!」とか何とか言って『資本論』あたりを勧めたもんだから傾倒してしまったのでしょう。また、カトリのスペックだと小学校レベルでは神童でも高等学校あたりで数学の壁にぶち当たったからだとも推測できます。カトリはそれなりに小器用で、また、やらなければならない仕事を真面目に粛々とこなせはしますが、ルーシーやトムに感じられた「大器」は感じられません。想定の範囲内の事には要領良く対応できるが、範囲外の事が起こるととたんにテンパってしまうことや(もっとも、カトリがテンパる場面というのはそれほど多くはないのですが)、人に借りを作ることを極端に嫌う(すべての労働には対価が払われるべきであり、また、借りを作ると必ず返さなくてはならなくなるというのが彼女の人生哲学だと思われます)ことがいい証拠です。

リアルタイムでの視聴率は何故か相当悪かったようですが、僕はいい作品だったと思います。熊と牛の『グラップラーバキ』のような格闘やマルティと泥棒親父との本気の殺し合いようなアクションシーンの見所も多かったです。

ハンナ、ヘレナ、イーネスといった敵役の戦闘力がどれも今まで観た名作シリーズの中でも最弱でしたが、これを反省して次の作品である『小公女セーラ』ではミンチンとラビニアをあれほどの強敵にしたのかもしれません。セーラは連中に少なくとも2度殺されかけいます。因みに『牧場の少女カトリ』のラスボスであるイーネスと『小公女セーラ』のラスボスであるミンチンは声優が同じで、この人はセーラの時にミンチンがあまりに邪悪なキャラクターであったが故に視聴者から剃刀を送られたこともあるとwikipediaにあり、仕事でやってるのに声優も大変だなと思いました。

さて次は、有名な『フランダースの犬』を最初からちゃんと観ていこうと思います。

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