1.資料解釈問題の解答と解説

どの数字にどんなバイアスがかかっているかを読み解く問題。

<<問題1の解説>>

本問を解く際には「調査に用いたこの漁業協同組合で漁獲されたマダイは、自然界に生息する一般のマダイのポピュレーションからの無作為抽出ではない」ということと、「表のデータは魚病寄生虫Cの寄生強度が高い個体140個体と魚病寄生虫Cの寄生強度が低い個体660個体を選んで対象としたもので、この漁業協同組合で漁獲された全マダイからの無作為抽出ではない」ということを初めに頭に入れておかないと混乱するだろう。上記2つを押えた上で、各々の解説を検討していく。

(1)論理は正しい。すなわち不正解。仮にこの漁業協同組合で漁獲される天然マダイが自然界に生息するマダイのポピュレーションの縮図と言えるならば、O氏の調査のデータから自然界に生息するマダイ全体について、魚病寄生虫Cの寄生強度と魚病寄生虫Tの寄生の有無との関係を論じることができる。

(2)論理は正しい。すなわち不正解。調査した天然マダイのうち、魚病寄生虫Cの寄生強度が高い個体に魚病寄生虫Tが寄生している割合は50/140である。一方、魚病寄生虫Cの寄生強度が低い個体に魚病寄生虫Tが寄生している割合は110/660である。したがって、魚病寄生虫Cの寄生強度が高い個体は、寄生強度が低い個体に比べて、魚病寄生虫Tの寄生している割合が高いと言えそうである。

(3)論理は正しい。すなわち不正解。今回の調査結果が一般化できるものであれば、別の調査でも同様の結果が得られると言える。しかしながら、(1)の解説でも述べたように、今回の調査対象は自然界に生息するマダイを無作為抽出したものとは言い難く(生息海域による個体の性質の違いなど。そもそも漁獲されるマダイにはその漁協が定めた漁業器具によった、網の目の大きさなどのバイアスがかかっている)、一般化は困難である。したがって、異なる場所での調査で調査対象が異なれば、調査結果は異なる可能性がある。

(4)論理は正しい。すなわち不正解。今回のデータは漁獲された天然マダイから800個体を無作為抽出したわけではない。表のデータは魚病寄生虫Cの寄生強度が高い個体140個体、寄生強度が低い個体660個体を選んで対象としたものである。したがって、今回の調査からこの漁業協同組合で漁獲される天然マダイ全体について、その約18%が魚病寄生虫Cの寄生強度が高いという推論を導くことはできない。よって、新たに調査を行えば、今回の調査とは異なる結果が出る可能性はある。

(5)論理は正しくない。すなわち正解。(4)の解説でも述べたように、表のデータは漁獲された天然マダイを無作為抽出して得たものではない。本肢のように「この漁業協同組合で漁獲された天然マダイには魚病寄生虫Tが寄生している個体の約31%について魚病寄生虫Cの寄生強度が高い」と言えるためには、調査の対象が漁獲された天然マダイからの無作為抽出でなければならない。よって、本肢の論理は誤っている。

以上より、正解は(5)となる。

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