最近、法科大学院適性試験の模試の問題を作成するバイトをやっています。以下は、趣味に偏って作ってしまった問題ですが、時間がある人は頭の体操としてどうぞ。テクニカルタームを散らしてありますが、問題をややこしく見せるためのまやかしです。思考力を問うですので、専門的な知識は必要ありません。解答は明日の記事で。
<<問題1>>
漁獲された天然マダイの口腔には5mm程度の大きさの寄生性単生類Cと50mm程度の大型の寄生性甲殻類Tがある程度の割合で寄生していることが知られている。マダイを宿主とするこの魚病寄生虫Cの寄生強度(1個体の宿主に対し何個体の寄生虫が寄生しているかを示す尺度)に魚病寄生虫Tの寄生の有無が関係するかどうかを調べるため、O氏はある漁業協同組合の協力の下、この漁業協同組合で漁獲されたマダイのうち、魚病寄生虫Cの寄生強度が高い個体について魚病寄生虫Tの寄生の有無を調べたところ、下表のような結果を得た。比較検討のために、この漁業協同組合で漁獲されたマダイのうち、魚病寄生虫Cの寄生強度が低い個体についても、魚病寄生虫Tの寄生の有無を調べて表に加えた。
Tが寄生している | Tが寄生していない | 合計 | |
Cの寄生強度が高い | 50個体 | 90個体 | 140個体 |
Cの寄生強度が低い | 110個体 | 550個体 | 660個体 |
合計 | 160個体 | 640個体 | 800個体 |
次の(1)~(5)のうち、この調査に関する記述として正しくないものを一つ選べ。
(1)自然界に生息する天然マダイで一般に魚病寄生虫Cの寄生強度と魚病寄生虫Tの寄生の有無との関係を論じたい時には、この漁業協同組合で漁獲されるマダイがこれらについて、自然界に生息する天然マダイと比べて偏りがないかどうかを調べる必要がある。
(2)この調査で調べたマダイのうち、魚病寄生虫Cの寄生強度が高い個体は、寄生強度が低い個体に比べて、魚病寄生虫Tの寄生している割合が高いと言えそうだ。
(3)この調査を行った海域から離れた場所を漁場とする別の漁業協同組合の下で、漁獲されたマダイ400個体を選んで魚寄生虫Cの寄生強度と魚病寄生虫Tの寄生の有無との関係を調べれば、今回の調査とは異なった結果が得られる可能性がある。
(4)この調査とは別に、この漁業協同組合で漁獲されたマダイ1000個体を選んで魚病寄生虫Cについての調査を行ったとすると、魚病寄生虫Cの寄生強度の高い個体が約18%いるという結果が得られるとは言い切れない。
(5)調査したマダイのうち、魚病寄生虫Tが寄生しているマダイが合計で160個体いるが、このうち魚病寄生虫Cの寄生強度が高い個体は50個体で、割合は50/160であり、この漁業協同組合で漁獲されたマダイには魚病寄生虫Tが寄生している個体の約31%について魚病寄生虫Cの寄生強度が高いと言える。
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