忘れていたこと

 映画研究部のフカサワくんが撮った映画の中でミセくんと共演していた人が、心臓発作でポックリと逝ってしまわれたそうだ。直接の面識はなかったが、間接的には知っていた同年代の人の突然死にいろいろと考えさせられた次第である。普段考えないようにしている「いつか必ず来る自分の死」というものを、無理やり意識させられてしまった。そして、ふと、「まだなにも成せていないので、死にたくない」と思った。

 自分という一生命個体がこの宇宙に本当に存在していたという実感を味わいながら死ねたら幸せなんだと思う。そのために、相性が良かった生物学という学問に関する己の哲学をマンガという方法論を用いて人に伝えたい。なぜマンガなのか? そこに明確な理由はない。いや、「マンガの方が一般に対して情報の伝播力が高いと思った」など無理やり理由を付けることはできるかもしれないが、「気付いたらそう思っていた」とするのが至極自然のように思う。物心付いた頃からそう考えてきたはずであった。他人の目を気にすること無く、ただ無心になって、なんだかわからないけど自分の中に沸き起こる抽象物を具体化したいという欲求、それをかなえるつもりだったはずだ。ここ数年、忘れていたように思う。ここのところ大学の講義に出たら、夕方からは友人たちとひたすら遊んで飲んでの毎日である。受験勉強から解放されて、「やりたいこと」に邁進するはずではなかったか。

 われながら極めて近視眼的で青臭いと思うが、見知った人の20代前半での急逝を受け、改めてそういうことを考えさせられた日であった。突然に自慢の息子に亡くなられた親御さんの悲しみはいかほどか。

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